ArchiCAD BIM事例レポート[株式会社梓設計]
設計者自身が選んだ最適のBIM環境で 「設計事務所のためのBIM」を追求。 それは、何よりまず質を上げるためのBIM
梓設計は、今年創立65周年を迎えた総合設計事務所。「東京国際空港国際線旅客ターミナル」や「埼玉スタジアム」など著名作品を多数手がけ、高度な技術力には定評がある。同社は早くからBIM導入にも取り組み、昨年は国土交通省初のBIM採用を条件とした試行案件「新宿労働総合庁舎外設計業務」公募型プロポーザルに応募・選定された。ArchiCADを主体とする同社のBIMへの取り組みについて、設計室長の安野氏らにお話を伺った。
設計者自身が選ぶ建築設計に最適なBIM環境
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「BIMに関する当社の最初の取り組みは、1996年に始まりました。といっても、当時はまだBIMという言葉は一般的ではなく、3次元CADの活用が主眼でしたね」(安野氏)。米国製3次元CADを用いて進められたこの取り組みは、当初、同社社内の多くの注目を集め、多くの設計者がその試用に挑戦したという。しかし、当時の3次元CADは設計ツールとしては未熟で、設計者たちの高い要求を満たせず、流れはやがて滞ってしまった。だが、それも完全に途絶えたわけではない。3次元CADは一部で使われ続け、関連情報の収集も続行された。そして、再び同社の機運が高まったのは2009年。「BIM元年」のことだった。
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設計者の感覚にフィットし、建築設計の流れに合った3次元CAD
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設計事務所が追求すべき建築の質を向上するBIM
本格的なBIM導入の開始から間もなく2年。実施設計図までフル活用した案件こそ少ないが、梓設計ではプロポーザル等を中心に、プランニングやデザイン、プレゼンテーション等でBIMを利用するプロジェクトも増えてきた。まだまだ導入段階であり手探りしながらの試みだが、BIMから生まれるメリットも少しずつ見え始め、ノウハウも蓄積されるようになっているという。
「設計事務所にとって重要なことは、一貫性のある、より良いデザインを行うことであり、それをいかにして不整合のない形で正確にゼネコンへ伝えていくかです。その意味で、BIMが私たちにとって大きな意味を持つツールであることは間違いありません」(安野氏)。ArchiCADによる設計なら“実際にどう見えるか”を絶えずシミュレーションし、確認しながら進められる。作業一つ一つの質を上げるツールとして十分機能するのだ。もちろん3D建築モデルを核に、不整合のない設計をわかりやすく伝えられることはいうまでもない。 「発注者への提案に際しても、BIMなら素早く確実にイメージを伝えられますから、素早く承認が得られ、私たちも迷いなく進められます。結果、効率的に品質向上が図れるのです」(土井氏)。
これこそ設計事務所が目指すべき“質を良くするためのBIM”であり、ゼネコンの“効率良く作り上げるためのBIM”とは異なるものだと同社は考えている。
「最終的には両者が繋がることがベストですが、それにはまだまだ時間がかかります。だから私たちはまず、設計事務所にとってのBIMをきちんと確立しなければなりません。そこで最近、当社ではBIMマニュアルのワーキンググループを立ち上げ、設計者が個々に蓄積してきたArchiCADノウハウの集約を開始しました。もちろん並行して、本格的にBIMを活用するプロジェクトも複数動き始めています。私たちのやり方で“設計事務所のBIM”を追求していきたいと考えています」(安野氏)。
Corporate Profile
株式会社 梓設計
| 創業 |
1946年10月 |
|---|---|
| 事業内容 | 都市計画・地域計画、調査・企画、 コンサルタント、設計、工事監理、 トータルマネージメント、デジタルデータ作成関連 ほか |
| 代表者 | 代表取締役社長 杉谷 文彦 |
| 所在地 | 東京都品川区東品川2-1-11 |
| 資本金 | 6,000万円 |
| 従業員数 |
344名(2010年1月31日現在) |

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