ArchiCAD BIM事例レポート[株式会社東洋設計事務所]

ArchiCADで企画設計から実施設計まで100%を実現
これからは、より建築のクオリティを上げることを目標に

株式会社 東洋設計事務所は、都市において快適な環境を構築することをテーマとして、京都・大阪・滋賀を中心に500棟あまりの設計監理を手掛けている。また全国に先駆けて、品質確保の国際基準であるISO9001を認証取得。企画設計から実施設計まで一貫してArchiCADを使用し、TeamWork機能活用した3次元設計に取り組んでいます。

トップダウンの意思によるCADの導入


代表取締役社長
齋藤 篤史 氏

 

  ArchiCADは、2000年のArchiCAD 6.0の時代から導入を開始し、今年で10年を経過した。ArchiCADを導入する前は、「CADを導入するのであれば、3次元でなければ意味がない。製図板の代わりとして導入するのであればそのメリットは少ない。」とのことで、1 9 8 0 年代よりC A Dを導入し、全社員がCADで設計を行ってきた。しかしながら、当時のCADの使い勝手は必ずしも良いというレベルのものではなく、ここで検討したのがArchiCADである。 

 ArchiCADを導入して一気に全社的な運用ができるものでもなく、誰かが先行投入を行う必要があり、白井氏に白羽の矢があたった。
「オブジェクト指向のCADとしては、学生時代にVectorWorksや他にもモデリングソフトを使っていましたので、『このくらいはできるだろう』という期待感がありました。」と白井氏はその当時を語る。導入してしばらく経ってからグラフィソフトの研修を受け、最初は手探り状態で使用して見ることとなる。「実際に物件を作成したのは2年後です。


設計部長
白井 大輔 氏

 

当時、多くの案件を抱えながら、実務においてCADを切り替えて行くことは、すぐに容易にできることではなく、今まで使い慣れたCADから新しいCADに切り替えて業務を行うと、設計効率が下がると考えていたスタッフもいました。」

導入から5年約100%の物件をArchiCADで実現

 「初期の導入では、10本のArchiCADを入れ、本格導入に向けての試行を行いました。」その後、設計者の人数分のArchiCADをそろえることになる。これにより、ArchiCADを使用する物件の年間目標を定め、時間に余裕がある設計に関しては全てArchiCADを利用するようにした。
当然、白井氏が携わる物件は全てArchiCADを使うこととなり、白井氏と一緒に設計を行う担当者は、半ば強制的にArchiCADを使わなければならなくなる。
こうしてArchiCADを習得したスタッフが、更に別のスタッフとのプロジェクトでArchiCADへの切り替え行うといった形で、ArchiCADへの切り替えを進めていった。

「2 0 0 5 年ごろには、以前のCADでの設計が継続している物件を除き、100%の物件をArchiCADで設計するようになりました。設計の初期段階からArchiCADを使わなければ、設計のフローが上手く流れないこともあり、初期段階からArchiCADを使うことを目指しました。」と、齋藤代表取締役社長は、当時の状況を語る。

TeamWork機能の活用による飛躍的な作業効率の改善

 今では殆どの物件でTeamWork機能を利用している。物件を担当する設計者は、設計のプロセスに応じて自然的にTeamWorkを立ち上げ、お互いのコミュニケーションにより運用を行っている。たまには内線を使うこともあるが、基本的にコミュニケーションはお互いの連携の声かけによる。

「TeamWorkを使うことにより、作業効率は格段に上がりました。TeamWorkを使用していない時期は、詳細図などを外注することもありましたが、今では詳細図も社内で作成しています。外注に出さなくなったことにより、外注先が作成した図面との整合性チェックを行う必要がなくなり、作業効率は飛躍的に上がっています。さらには、全てのデータが1つのファイルに収めることができ、設計図書の管理も楽になりました。」 
ただ東洋設計事務所では、運用方法として、線の色、太さ、線種、レイヤー設定、塗りつぶし等のフォーマットは統一しているものの、設計する上での入力方法はあえて厳しくは決めていないという。「設計を行う上では、その入力方法を厳格には規定していません。あまり規定してしまっても、場合によっては作業効率が落ちる場合があります。構造設計がまだ確定していないうちに、データを入力しても、後になって入力し直さなければならないケースもあります。」と白井氏は、これまでの経験を生かし柔軟な運用を行っている。 
また、ArchiCADに参照機能が加わったことにより、設備や構造データとの整合性のチェックに非常に役立っているという。

更なるステップアップ

「ArchiCADを運用し始めたことで、以前に比べ設計スピードは飛躍的に向上しています。ArchiCADがあたりまえのツールとなった現在、全社的により高いレベルを目指すべき時期に来ていると感じています。
より高いレベルを目指すには、社内運用フォーマットの話など、難しい面が付きまとうことは否めませんが、今後は作図等の『作業』に充てる時間を極力短くし、設計プロセスにおける創造的活動により多くの時間を充て、建築の質の向上に資するべきと考えています。
建築の設計クオリティの向上に多くの時間を充てることは、今後より高度化することが予想される設計への要請に対応するものとして必要なことだと考えています。」と齋藤代表取締役社長は、将来を期待している。

Corporate Profile


一級建築士事務所
株式会社 東洋設計事務所

創業

1966年

事業内容 建築設計(意匠・構造・設備)、調査・コンサルティング、開発設計、環境設計ほか
代表者 代表取締役 齋藤 篤史氏
所在地

京都市中京区烏丸通六角下ル 七観音町638番地 東洋烏丸ビル

資本金 16,000,000円

GRAPHISOFTはNemetschekのグループ企業です