【レポート】ARCHICAD 18 製品発表会

『JOIN THE CREATIVE FLOW』

ARCHICAD 18 製品発表会

2014年9月2日、9月5日に開催されたARCHICAD 18製品発表会では、東京368名、大阪240名と多数のお客様にご来場いただき、大盛況にて終了しました。
ARCHICAD 18の製品発表、BIMCloudソリューションプレゼンテーション、さらにゲストの皆様に国内および海外でのBIM活用事例についてご講演いただきました。

Life at 30

グラフィソフトジャパン株式会社 代表取締役 コバーチ・ベンツェ

30周年を迎えたARCHICAD、Graphisoftのこれまでの歩みとこれからについて、グラフィソフトジャパン代表取締役のコバーチ・ベンツェよりお話しさせていただきました。

ARCHICAD30周年

ARCHICADは30周年。人間の30歳がとても充実した時期であるようにARCHICADもまた充実した30周年を迎えています。現在30周年特設サイトも公開されています。プレゼンテーションではARCHICADの最初のバージョンである1.0のデモンストレーションも行われました。壁ツール、スラブツール、ドア、窓など基本的なツールセットが実装されており、 2D、3Dの整合性、数量一覧表などBIMの姿がこのときすでにできていたことがわかります。

コバーチ・ベンツェ

JOIN THE CREATIVE FLOW

ARCHICAD 18のテーマ「JOIN THE CREATIVE FLOW」。CREATIVE FLOWとはハンガリーの心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱した概念で、現在行っている活動に完全に没頭して、集中しながら楽しさを感じている状態です。スキルが十分にあり、かつ難しい仕事をしているときなどにこの状態になるといわれます。そのためには集中して作業ができる環境が必要です。GRAPHISOFTの目的の一つは、フローの邪魔になる要素を排除することにあります。ARCHICAD18ではこのフローの状態を作り出すための機能を導入しました。

クライアントにとってのBIM - 福島給食センター建設プロジェクト

東京電力株式会社 原子力安全・統括部 Jヴィレッジ復旧推進グループマネージャー 児玉 達朗氏

児玉 達朗氏

福島第一原子力発電所近郊に、原発で復旧作業にあたる方達へ食事を供給するための給食センターの敷地が内定したのが2013年末。タイトなスケジュールの中、BIMの力を実感した経験をお話しいただきました。

BIM=バリューを先に見る

建築工事にありがちな誤解として、発注者としては、事業費と工期を示せば建築物が完成するという考えがあり、要求が不明瞭になりがちです。受注者としては要求が不明瞭なため発注者の要求を推測して提案し設計施工をすすめることになります。この結果、受注者としても完成品の姿を完成前に示せず、発注者としては完成品を前もって見ることができないため、完成後に不満が出ます。しかし、BIMを使えば、この誤解を解決することができます。また、BIMは設計図書として扱うことで、本来のパフォーマンスが期待できます。二次元設計、限定的なBIMモデルに比較して、BIMモデルは設計図書としての完成度(=実現性)が格段に高く、設計変更のリスクが低いのです。

BIMが変えてしまうもの

今回、BIMのチームとプロジェクトを進めた経験から、今後は発注者が受注者から選ばれるケースが出てくるのではと思います。今回のプロジェクトでは、人件費の高い、非常に優秀なBIMチームが短期間で投入され、困難なプロジェクトにおいて成果を上げたということもあり、プロジェクトによってはこのようなチームの投入は受注してもらえないこともありうるのではないでしょうか。復興に向けて、とにかく時間がない中で、今回BIMの力を実感しました。

A Journey with ARCHICAD - コンテクストとスピード

EZRA Architects Founder & Principal Architect Mr. Lim Kee Hua

Lim Kee Hua氏は、 シンガポールと、中国の広州市にオフィスを構えるEZRAアーキテクツの創始者およびプリンシパル・アーキテクトです。設立9年、個人事務所から34名の設計事務所へと成長を遂げたEZRAアーキテクツのこれまでの道のりを、「A Journey with ARCHICAD - コンテクストとスピード」と題してお話しいただきました。

コンテクスト

まず、シンガポールと中国についてお話しします。中国はシンガポールに比べ、国土面積は13,700倍、建設市場規模は27倍です。シンガポールでは、日本と似てシステマチックに物事が進みますが、中国はそうではありません。常にすべてが変化しており、デザインやスケジュールだけではなく、境界線、必要面積の変更が起こり、不明確なスケジュール状況のため、私たちは常に気が抜けず素早く対応する準備をしています。また、中国では個人的な関係が重視され、契約上のことを持ち出して変更できないと断ることは、仕事の受注を減らすことにつながるため、やはり素早く柔軟な対応が重要となります。

Lim Kee Hua氏

スピード

中国では、スピードと効率が不可欠のため、BIMの「少ない労力で多くを得る」ことが大きなメリットになります。広州市でのプロジェクトでは、急勾配の丘に40もの別荘の設計依頼がありました。丘を登る曲がった道路や、異なる高さに位置する別荘のモデリングは困難で、さらに400の図面を1カ月で完成させなくてはならなかったのです。しかし、BIMを活用したことで、圧倒的な速さで作業を終えることができました。

ARCHICAD革命

私たちは2007年にBIMと呼ばれるものを知り、BIMこそが未来だと確信しました。シンガポール建設庁より助成金の支給を受け、ARCHICADバージョン10のライセンスを10本購入し、導入しました。それまで慣れ親しんだ手法から離れることは簡単ではありませんでしたが、スタッフにも時に厳しく指導をして、会社一丸となったARCHICAD革命がはじまりました。

困難な道のりでしたが、新しいこと、より効率のよい手段を学ぶことは楽しかったと思います。業務においては、これからも毎年チャレンジは続きますが、それを乗り越えるために、毎年届くARCHICADの新しいバージョンを学んでいきます。